母の急性期病院での記録の続きです。
前記事
主治医の脳外科の先生からお話を聞き
手術の承諾書にサインをして
一旦主人と実家に戻りました。
寝ずに運転してくれた主人は
疲れ果てて
睡眠をとらなくてはいけない状態。
実家に着くと
私たちが病院に着く前に
実家に戻された長男が
応接間のソファーに
うなだれて座っていました。
「俺が心配ばっかかけてたから
おばあちゃん倒れたんだ。」
と言ってまた涙を流していました。
長男くんが
進路に迷っていた時
母には
精神面でも経済面でも
助けられてきました。
母だけは
「人生長い。」と言い
俯瞰して
長男を支えてくれていました。
でも
母のことですから
「ただただ優しい
孫の味方のおばあちゃん」
という存在ではなかったです。
普段、口にはしませんでしたが
長男は自分の立場を理解していて
母に対して申し訳なさと
感謝の気持ちを持っていたのが
あの時の長男の姿から
しみじみ伝わってきました。
長男の足元に
母がいつも肩からかけていた
水玉のポシェットと
スーパーの袋がおいてありました。
病院の方から
母の持ち物として
長男に渡されたものです。
スーパーの袋から
はみ出していている長ネギ
母が夕飯の買い物の会計を終えた後
倒れたんだという状況を
まざまざと物語っていて
否応なしに
その時の様子が
頭の中で
思い描かれては消え
思い描かれては消えを繰り返し
気分が悪くなりました。
料理が不得意な母でしたが
長男のために
夕飯を作ってあげようと
買い物して帰るところだったんですね。
「おばあちゃん、必ず元気になって
この家に戻って来るからね。
お前はお父さんと一緒に寝て。」
と長男に言い残し
自分で言った言葉に
自分自身が励まされつつ
わたしはすぐに病院に向かいました。
手術の間
何が起こっても良いように
必ず誰か家族が一人は
病院にいなければなりません。
外に出ると
真夏だったので
すっかり明るくなっていていました。
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