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母の10時間にも及ぶ手術が終わって
麻酔が覚めた頃
病院に向かいました。


全身管理のお部屋にいた母は
わたしのこともわかり
ポツポツと話もできました。

わたしは安堵しながら母に
「大丈夫?元気ある?」
と聞きました。

そしたら向かい側に寝ていた
意識のはっきりした
おじいさんが
「あー、あー、元気だよ。その人。
一晩中、なんだかうるさくて。」

とものすごく不機嫌そうに
吐き捨てるように
言いました。


「えっ、すみませんでした。」
とすぐ謝りましたが
最初、意味がわかりませんでした。

でもすぐに
麻酔から覚める時に
うわ言を言っていたのだと
わかりました。

しかも母は
頭の手術をしています。


ちょうど回ってきた看護師さんに

「すみません。昨日の晩、
母が何だかうるさかったようで。」
と謝ると
「あっ、あー、はい。」
のような返事をし
忙しそうに向こうにいかれてしまい...


ただその時に
母はしっかりと
大切な物の置場所など
わたしに伝えてくれて
とても助かりました。


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家に戻って家族に状況を伝え
ちょっと明るい雰囲気が戻りました。


でもその後
母は麻酔から覚める時
一体
何を言っていたのだろう...
と考え始めました。

あのおじいさんの態度
そして
サッと去っていった看護師さんの後ろ姿から
(考えすぎかもしれない、笑)

聞きたくもない話を聞かされた
という感じを受けてしまい
気になって仕方なかったのです。

母は我慢の多い人生でした。
「ならぬ堪忍するが堪忍」
なんて良く言ってましたから...

「良い人」
と言われる人ほど
心の奥底に秘めているものは
多いんじゃないかいかな〜(-.-)

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泉鏡花の「外科室」
にある
「私はね、心に一つ秘密がある。
麻酔剤は譫言(うわごと)を謂うと申すから、
それがこわくってなりません。
どうぞもう、眠らずにお療治ができないようなら、
もうもう快(なお)らんでもいい、よしてください」

という言葉を思いだしました。




うわ言...
誰しも何を言うかわかりません。
わたし、本当に、
自信ないわ〜(-_-;)

本当のことならいざ知らず
(いやいや〜、それもマズイか?)
願望、疑い、思い込みなども
ごっちゃまぜになっているかもしれないし。



今でも時々
母は何を呟いていたのかな...
と思い返します。




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