何となく思い出したくなかった
母が倒れた日のことを
書き留めておきます

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母が倒れたのはお盆休みでした。

スーパーでお買い物の最中
突然倒れました。

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たまたま
まだ学生だった長男が
実家に母の手伝いがてら
遊びに行っていたので

救急車から最初に連絡を受けたのは
長男でした。
病院にかけつけ、当直医から
「最重症のくも膜下出血でもう助からない。」
と言われ
わたしに電話をかけてきました。


夜の7:00頃
ちょうど主人も次男も
一緒にいる時で

長男が泣きじゃくりながら話すので
最初、何を言っているのか
全くわからず

状況をやっと把握した時

「おばあちゃん、絶対死んだりしないから
おまえしっかりしなさい。」

と怒鳴っているわたしがいました。


もう最終の新幹線に間に合わない時間で
主人が運転して
実家のある町へ向かいました。

車で7時間はかかります。


虫の知らせというのか
その日のお昼
車で買い物に出かけた時
ガソリンがそう減っているわけではなかったのに
目の前にあったガソリンスタンドで
ガソリンを満タンにしました。

行きたかったお店が混んでいたので
ただ時間を潰すためでした。


その時、すでに

母の所に駆けつけることが
決まっていたのだと感じました。


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実家が遠いことが
いつも苦痛でしたが
この時ほど
恨みに思ったことは
なかったです。



母は重篤な容態だということを
頭では理解できていました。

でも不思議と
「母は死ぬはずない。」

信じていて


驚くほど冷静に
状況に向き合えていたのが
不思議です。


明け方
やっと実家の隣の県にさしかかった頃
薄明かるくなった空に
月が浮かんでいた姿を
今でもはっきりと
思い出します。

image
(画像お借りしました)


あの時の月は
静かで、遠くて、

見守られているというより
何かを...
見定められているような...

冷たい光を
放っているように思えました。




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