わたしの母は洋裁をしていました。
若い頃独立して小さな洋裁店を40年近く営んでいました。
お針子さんが数人だけの、大通りから一本入ったところにある
目立たない小さなお店でした。
もう20年以上前に閉めてしまいましたがまだ建物は残っていました。
この建物の一階の前の部分を借りていたんです。
白いカーテンがかかっているところがそうです。
一階の奥と二階は大家さんが住んでいました。
こちらの大家さんとの共通の玄関から入って
すぐ右に木の扉があってお店と通じています。
この扉を開けてすぐ右に行くんです。
お客様以外はこちらから出入りしていました。
間借りのお店でお手洗いも水道も大家さん家のをお借りしていたので
母はいつもずいぶん気を使っていました。
小さなお店でしたがやはり経営するのは大変で
母は一年365日仕事でした。
あの時代、母は曲りなりににも女経営者で
小さな成功はしていたと思うのですが
わたしには、
自分が働いていて、しかも洋裁店を経営しているということは
人にあまり言わないようにいつも言っていました。
悪いことをしているどころか
立派だったと思うのですが...。
でもなぜか肩身が狭い感じを漂わせていました。
今では立派なキャリアウーマンとして認められると思うのですが
時代なのでしょうね。
あの頃は、女のひとは家にいるべきという風潮でした。
母は早く生まれすぎました。
今の時代を生きさせてあげたかったです。

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